1996年7月31日水曜日

列車の旅


 幼い頃、列車に乗れば何処へでも行けると思っていた。
それは、その時私が住んでいた東京から母の実家のある九州へはよく寝台特急で行っていた事と、その時放映されていたアニメ、“銀河鉄道999”の影響だろう。
今でも列車で旅行をする時はそう感じる事がある。
普段の生活からゆっくりと離れて行く様を窓から眺め、ぼんやりと取り留めもなく考え事をするのに列車の旅はこれ以上ないくらい似合っている。
私は長距離の旅は飛行機よりも列車や船を使った方が好きなのだが、いかんせんそんな余裕は滅多にない。
旅は家を出ることから始まるものだったのに、いつの間にか旅は目的地にいる間だけを問うようになった感がある。
いつもと違う事をするだけで一寸した冒険と思えたのはいつの日だろうか?